Adobe Photoshop Lightroom 6の新機能を試す

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 2015年4月、EOS M3のRAW現像にに対応した【Adobe Photoshop Lightroom 6】が登場しました。新規購入では16,000円、アップグレードでは10,000円といったところでしょうか。EOS Kiss X8iや8000D、5DRもLR5では現像できないのでアップグレード必須でしょう。

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 特に私が今回注目する新機能の【HDR合成】、【パノラマ合成】を試してみました。HDR・パノラマ合成の方法の解説として書いています。


基本的システムが変わった

 まず最初に、Lightroom 6から基本システムが大幅変更になったので注意が必要です。

 それは、Adobe Creative Cloud同様扱いになったことです。

▼アップデートも統合管理アプリでなされる
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 結果、2台のパソコンまでしかインストールできません。

 元々、Adobe CCの前身のAdobe CSですら2台までのインストール制限があったのに、Lightroomのライセンス管理はフリーで微妙に保留されていた感じでした。

 【自宅メインPC】、【出先PC】、【モバイルノート】といった3台体制の私には厳しい話です。仕方なく【出先PC】をLightroom 5にダウングレードする羽目に・・・。ただし、この影響を受ける人は、単体Lightroomを購入しているユーザー限定で、CCの人は前からそういう仕様でしょうね(^_^;)


新機能と利用価値のうちわけ

 新機能リストからそれぞれの個人的利用価値を検討してみます。

■HDR画像を手軽に作成
→Photoshopからのお下がり機能で、お手軽なHDR合成が楽しめます。

■超広角の美しいパノラマ写真を制作
→Photoshopからのお下がり機能で、お手軽なパノラマ合成が楽しめます。

■さらなる高速パフォーマンス
→GPUアクセラレーションによる現像速度アップらしいですが、元々かなり速いので、私の様な日曜カメラマンには恩恵が少ないかもしれません。

■顔認識機能により、特定の人が写った写真を簡単に選別
→人物写真を大量に撮る人向けなので使いません。イベント・学校カメラマンなど?

■静止画像、音楽、特殊効果を組み込んだビデオスライドショーを制作
→スライドショー機能を使うのはごく一部のユーザーかな?

■HTML5ベースのWebギャラリーを作成
→WEBギャラリー機能を使うのはごく一部のユーザーかな?

■進化したフィルターブラシが、よりきめ細やかな作業を実現
→レタッチの自由度がほんのり高まりました。

 他にも赤目修正機能の進化として、ペットアイ修正効果というのも付いたようです。しかし、目新しいと感じるのはHDRとパノラマかなという感じですね。


お手軽HDR合成

 早速お手軽HDRをしてみましょう。ちなみにHDRでは【露出を変えた写真】を合成することで、明暗差を打ち消した一見綺麗な写真を作成できます。

 まずは写真を撮る必要がありますが、カメラのAEBオートエクスポージャーブラケティング)という機能を使うとラクです。これは露出を変えて複数枚撮影する機能で、あとで明るさで失敗しない為の保険的機能です。

 

▼AEB設定を使う
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▼露出をプラスマイナス1段と設定
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 日の光と風景など、明るさの差が大きすぎる被写体で効果を発揮するので、今回は【山と夕日と桜】ということで一つ撮ってみました(^_^;) お手軽ということで、手持ち3枚撮影です。3枚撮るということは、撮影位置が変わるのはもちろんのこと、風で葉が揺れたり人が動いたりします。そこで、ゴースト除去機能を使うと上手くごまかせることもあるようです。

▼RAWにて露出補正無し
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▼3枚を選択して結合→HDR
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▼自動整列でズレもピッタリ
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 今回は葉の揺れを抑える為に、ゴースト除去機能を【強】にする必要がありました。なお、基本プラス補正していたので、暗部持ち上げが物足りなく、RAW現像時の暗部持ち上げに近い結果になりましたね。暗部持ち上げによるノイズが出ていないので、良しとしましょう。(1つ目がLR自動階調による暗部持ち上げ、2つ目がHDR自動階調)

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 合成後もRAW扱いなので、各種調整がラクにできて便利ですね~。


お手軽パノラマ合成

 超広角レンズをもっていなくても、見渡すように何枚も撮影した写真を貼り合わせてパノラマ写真を作成できます。むしろ標準域で撮影した写真の方が、人間が見たままに近い感じなるので良い気がします。

 今回は【夕暮れの札幌市】ということで、遠景を6枚撮影してパノラマ化してみました。

▼6枚選択して写真を結合→パノラマ
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 コツというか、当然の如く露出固定のマニュアルモードでやった方が良いと思います。場所によって明るさが違うと変ですからね~。ピントのズレが怖いので、AFもマニュアルモードの無限遠固定です。

▼自動解析して結合される
(円筒法)
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▼湾曲を無くす方法もある
(遠近法)
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▼自動切り抜きでスッキリ
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 いやーやっぱPhotoshopの力は絶大ですね。コレが何年も前からあった本家の自動パノラマ合成です。6枚パパッと撮影した写真には見えません。撮影時はホントにこんな写真撮影でいいのか?と虚しい気持ちが、いざ合成させたら達成感が半端じゃないです。なお、ここではリサイズしていますが、実データは13277×5621ピクセル=7463万画素なので、緻密で重いですよ(^o^)

▼夕暮れ感を出して完成
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まとめ

 もともとPhotoshop CC/CSに付いていた機能のお手軽バーションを載せたということで・・・Photoshopを立ち上げて処理するという超面倒くさかった点が改善されます!

 もちろん、Photoshopを持っていない人には大変便利な機能で、新しい写真が楽しめますね。実際、HDRとパノラマは、ここぞという時にしか使わないので、強力なのに微妙な機能ですが(^_^;)

 Lightroom最新化は新カメラ対応の為に必要なAdobeへの強制お賽銭活動なのです。


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