長らく撒き餌レンズと名高く、25年もの間売られてきた【EF50mm F1.8 II】の後継機、【EF50mm F1.8 STM】が遂に登場しました。
レンズ構成はそのままに、外装変更とマウント部金属化、レンズコーティング変更による逆光性能向上と絞り羽の改良、駆動方式をステッピングモーター化した上に最短撮影距離を縮めたという、まさにバージョンアップしたと言えるレンズです。このクラスの格安レンズはコストパフォーマンスが良いので、早速購入してテストしました。
長らく撒き餌レンズと名高く、25年もの間売られてきた【EF50mm F1.8 II】の後継機、【EF50mm F1.8 STM】が遂に登場しました。
レンズ構成はそのままに、外装変更とマウント部金属化、レンズコーティング変更による逆光性能向上と絞り羽の改良、駆動方式をステッピングモーター化した上に最短撮影距離を縮めたという、まさにバージョンアップしたと言えるレンズです。このクラスの格安レンズはコストパフォーマンスが良いので、早速購入してテストしました。
一番の問題点が無くなった
とにかく外装・作りがチープだった・・・
旧【EF50mm F1.8 II】を使った事がある人なら、まず感じることでした。もちろん、古いモーター+ギア式のレンズ(例えばEF50mm F2.5コンパクトマクロ)も似た様な雰囲気があります。実際、壊れやすい点もあったみたいです。
ところが、新しい【EF50mm F1.8 STM】はカッチリしていて、ピントリングのガタも感じられません(^o^) オートフォーカス時の音も小さくなって、STMの新しい音は雰囲気が違います。ただ、少しだけプラスチック外装の安っぽさから旧レンズの面影を感じますが、それはほんの少しだけです(^_^;)
こうした作りの良さはレンズに対する信頼性・愛着に直結しますし、撮影時のモチベーションにも影響するので、大事なことだと思います。
寄れるということ
最近のレンズは寄れることをアピールすることが多く、コレも同様にかなり寄れるようになりました(^o^)
寄るとと背景が相対的にボケやすくなるので、面白く難しいところでもあります。
▼EOS 6D + EF50mm F1.8 STM
(F1.8, 1/3200sec, ISO100)
▼EOS 6D + EF50mm F1.8 STM
(F1.8, 1/1600sec, ISO100)
2つは同じ場面ですが、ここまで寄れると花や料理撮影にも使えますね。ただ、これは等倍で見るとピントがどこにあっているかわからないレベルで、少し絞らないと、本当に捉えたいものもボケてしまう場合もあります。また、色収差が大きいせいか、絞り開放だとピントが合っていても少しだけソフトになる傾向がありますね。
明るくて大きくボケる
標準キット・ズームレンズといえば、だいたいは「F3.5」からスタートして、50mmでは「F5.6」という暗さ。対して「F1.8」だと2~3段以上明るいことになり、暗い場面で大きな画質アップにつながります。特に暗いとISO6400といった高感度になりがちなところ、ISO400~1600で抑えられます。
部屋撮りでは薄暗くなるので、次のような場面で「F5.6」という暗いレンズを使うと苦労するわけです。感度がISO3200~6400に上がったり1/15のスローシャッターという状況になっていたはずです。
▼EOS 6D + EF50mm F1.8 STM
(F1.8, 1/50sec, ISO500)
ここで焦点距離とF値でボケ量・被写界深度が決まるのを解説するのは割愛します。簡単な話、望遠レンズを使うとボケるということですが、50mmという写りでのボケ具合を考えると、他の焦点距離で置き換えることはできないでしょう。
▼EOS 6D + EF50mm F1.8 STM
(F1.8, 1/1600sec, ISO100)
ちなみに、例えば次のような焦点距離が100mmであればF5.6まで絞っても、50mm F1.8よりボケが大きく・ピントの合う距離が小さくなります。
▼EF100mm F2.8L マクロ IS USM,
(F2.8, 1/320sec, ISO100)
周辺減光もかなり激しい
絞り解放気味で撮影すると、結構な周辺減光があります。
▼EOS 6D + EF50mm F1.8 STM
(F4.5, 1/500sec, ISO100)
※キットレンズ並の絞り
▼EOS 6D + EF50mm F1.8 STM
(F1.8, 1/2500sec, ISO100)
※絞り開放時
最近のカメラだと補正機能があるのでそれほど問題にはなりませんね。むしろエフェクタで周辺減光効果を追加されることも多く、表現の一種としてそのままにしてもいいでしょう(^o^)
逆光ではどうなのか
フレア・ゴーストの出方はコーティングを改善したお陰なのか、特に問題はなさそうです。ただし、フードを付けないとどうなるかはわかりません。
▼EOS 6D + EF50mm F1.8 STM
(F5.6, 1/1000sec, ISO100)
まとめ
やはり安くて軽い【EF40mm F2.8 STM】、【EF-S24mm F2.8 STM】といったレンズとはひと味違います。この【EF50mm F1.8 STM】は単焦点レンズの一回り上の性能を垣間見せてくれるレンズです。25年間改良されず、親しまれてきたというのは伊達じゃないということでしょう。価格も抑えられているので、キットレンズに追加するならコレは非常に良い選択になると思います。
また、EOS 6Dのような最速シャッタースピードが1/4000しか出ないカメラにとっても丁度いい気がします。これより明るいレンズだと、NDフィルタによる減光をしないと露出オーバーする状況が多くなりそうですからね・・・。
▼EOS 6D + EF50mm F1.8 STM
(F1.8, 1/4000sec, ISO100)
しかし、APS-Cユーザーにとっては80mm相当の中望遠レンズに近い画角になってしまいます。フルサイズで使ってこそ生きる部分が大きいのですが、制限を割り切って使うという単焦点レンズならではを楽しむのも一興でしょう(^_^;) シグマの30mm F1.4ですら狭い部屋撮りで上手く使えないことがありますからねえ。
なお、このレンズはイルミネーションなどの玉ボケ撮影でも威力を期待できるので、またの機会に検証したいと思います。
関連記事:2015年11月28日 EF50mm F1.8 STMで撮るイルミーネーションと玉ボケ
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